おはぎのひきだし。

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読者登録ありがとうございます!私はかなりゆっくり訪問になります。ご了承下さい。。。よろしくお願いいたします!(*^^*) 何かをアウトプットするための場所です。ゆるく、ゆるく、そして時にビシビシっと!! ・・・決まったらいいですねぇ(*´ω`*)健康や防災、心理学に関する事を主にアウトプットします。since 10.19.2019

私の「素直」の先生。 ~コロナ前の冬の出来事~

皆さんこんにちは、お疲れ様です☆ おはぎです(*'ω'*)

 

今日は、いつもと違う感じでお送りいたします。

 

私は素直になるのが苦手です。

 

「ああ、やってしまったな」「今の自分、良くなかったな」って思う度に思いだす出来事があるんです。

 

コロナが広まる前、冬の出来事でした。

 

 

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私は朝の特急電車に乗った。

混雑した電車の中に優先座席近くの車いすの人たち用のスペースが少し空いていて、その壁際に背を向けてもたれた。

 

私は電車を最前列で待っていたけれど、その後ろにもたくさん人が並んでいて、次々と人が入ってくる。目の上にブルーのアイシャドウをつけた初老の女性も乗ってきて、すし詰めのような環境に機嫌の悪そうな表情をしていた。

 

 

電車のドアが閉まり、自分の周りに少し空いた空間にホッとした。

電車が発車した途端に、その理由がわかった。

 

 

 

泣いている・・・。

 

自分のすぐ横でまだ20代であろう女の子が、黙って大粒の涙を流していた。

とても顔の整った子で、ブランド物のバックを持って、反対の手にはかわいらしいタオルハンカチを握りしめていた。

 

 

涙は次々に出てきて止まる様子もない。

時々しゃくりあげる度に、車内がどんよりと重たい雰囲気に飲み込まれていった。

 

電車は次の駅までしばらく止まらない。時間にして、20分以上このままだ。

 

 

私は彼女に横顔を見られるような立ち位置で、周りの人は彼女に背を向けていた。

 

初老の女性もそれに気づき、顔をしかめるような表情であった。

 

 

10分ほどして、彼女の涙が止まった。

誰かとお別れしたのかな、こんな若いのに大変だろうに。

そう心の中で思いつつも、彼女との距離の近さに内心焦っていた。

 

 

「どうしよう。どうしよう」自分は焦ったドラえもんのようにプチパニックになっていた。

自分だったら、見ず知らずの人に何か言われても微妙だし、「話しかけてもらいたくない」と思うときもある。おせっかいもよくない。

 

そうこう悩んでいるうちに、さらに5分経過しようとしていた。

彼女は再び泣き出した。赤くなった目から静かな滝のように涙がつたっていた。

 

私は、自分の荷物をあさることにした。

 

 

混雑した車内の中で、自分の足元のカバンから何か出そうとモゾモゾしている私に、車内から冷ややかな視線を感じた。「何をしているんだ、あいつは」

そんなセリフが聞こえてきてもおかしくないような状態だった。

 

5分経過。お目当ての物を見つけて、姿勢を伸ばし、車外の景色を確認した。

この路線は何度も乗っている。

車窓の風景で、どの辺を走っているのか、あとどれくらいで次の駅に着くのかもわかる。

鉄子にはお手の物だ。

 

 

あと3分で到着する。 今だ!

 

 

私は、彼女に勇気を振り絞って声をかけた。

「これ、あとで、鼻をかむときに使ってください。もらったやつだけど」

 

 

そう言うと、ポカンとした表情で小さなポケットティッシュを受け取ってくれた。

 

「おせっかい焼きだから、突然話しかけてごめんね」

 

そういうと、首を小さく横に振ってくれた。

 

「色々あるものね、大丈夫よ、大丈夫」と優しい表情で、初老の女性が彼女の手を取り、背中をさすっていた。

 

他の人も動いてくれたのにホッとして、あたりを見回すと、優先座席に座っていたおじさんもこちらに身を乗り出して、目をウルウルさせながら見守っている。

 

世の中、捨てたものじゃない。本当に良かった。

 

私は、声を上ずらせながら自分よりも1周り下かもしれない娘に向かって言う。

「まだまだ若いんだから、大丈夫。」

どっかでよく聞いたことのあるようなセリフだ(笑)

 

「そうよそうよ。大丈夫」と女性もフォローしてくれた。

 

「今日は凄くいい天気だしね。こんな青空なかなかないし、きっとスッキリした気持ちになれると思うよ。あ、でも、お鼻かんで落ち着いたら、いっぱい泣いて水分がたくさん失われているから、スポーツドリンクを飲んで水分補給してね。頭が痛くなっちゃうから、絶対ね。約束ね。」

 

そういう見知らぬ私の言葉に対して、「ハイ」「ハイ」と頷きながら答えてくれた。

彼女はすごくいい顔をしていた。

 

 

私の苦手な事をサラリとしている彼女にハッとさせられた。彼女の表情が忘れられない。

 

話が広がったりするまでに、駅に到着した。

彼女は降りる人で、「気を付けてね」と声をかけて私も電車を降りた。

 

そして違う車両に乗り、私もお裾分けをもらえたような気持ちになった。

 

 

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今はコロナの時代で、電車の中が殺伐としているように感じる。

 

言い争いの声を聴くときもある。

 

でも、また、いつの日か落ち着いたらこんな車内に戻ってほしいと思ったり。

 

最近コーチングの授業で、「ありがとうの言葉(見返り)を望まないこと」を習ったり。

 

素直になることの重要性の文章に触れたりすることが多くて、そのたびにこの出来事を思い出す。

 

私も彼女のように素直になりたい。

素晴らしいお手本に出会えてラッキーだ。

 

私は今までの経験を活かせる人になりたい。

私は今までの経験を活かせる人になっていく。

 

 

今日も読んでくださりありがとうございました☆ おかげ様です(*´ω`*)

 

おはぎ